令和7年度 第2回君津ブロック会員交流会 開催報告

お知らせ

テーマ:介助技術の向上 ―持ち上げないケアの意義と実践―

開催日:6月11日(日)

開催場所:千葉医療福祉専門学校

参加者数:16名 内訳:学生4名、新人職員2名、ブロック会員10名

講師:千葉県士会 公益事業局 在宅医療・介護支援部 5名

今回の交流会は介護現場で注目されている「持ち上げないケア」をテーマに、実技を中心に以下の内容で実施しました。

  • 「持ち上げないケア」の基本的な考え方の解説
  • ベッド上での体位変換・移動の実技
  • 福祉用具(スライディングシートやスライディングボード)の活用方法
  • ギャッチアップ・ダウンの体感および背抜きの実技

 まず初めに介助の基本となる「持ち上げないケア」について講義をしていただきました。必要に応じて福祉用具などを活用すること、自立支援や安全性の向上を図ることができることなどについて理解を深めていきました。障害の程度が重度で介助量が多くても、福祉用具の使用や介助方法・環境を工夫することで双方の負担軽減、自立支援に繋げることができます。福祉用具の正しい使い方、適応を理解することは、自立を促進するための選択肢を増やすこととなり、その人らしい生活の実現へ近づけることになります。普段福祉について学ぶ機会が少ない参加者も多く、皆さん興味深く聴講していました。

実技では福祉用具の活用、ギャッジアップと背抜き体験の2グループに分かれての実施となりました。

福祉用具の活用

 福祉用具ではスライディングシート、スライディングボード、介助グローブを使用し、ベッド上での移動やトランスファーの体験を中心に実施しました。使用経験の無い参加者が大半でしたが、使用方法のコツを掴むとスムーズに移動やトランスファーが出来ることを実感するとともに、介護する側・される側ともに負担軽減することも実感できました。

ギャッチアップと背抜き

皆さんはギャッチアップされた経験はありますか?実際に体験するとベッドに接している部位の皮膚のずれ感が強く大変不快になります。そこで必要になるのが背抜きです。接している部位をわずかに離し、皮膚のズレ・服やシーツの皺を介助者の手を入れることで修正していきますが、ほんの少し浮かすだけでも不快感が改善することがわかります。しかし介助量の多い方あるいは体格の良い方に対しては、この浮かす動作が非常に大変な作業でした。体験しなければ感じることができなかったことで、大変貴重な機会となりました。

 

どちらの実技グループにおいても体験することによる気づきが非常に多く、医療・介護に携わる方々に広めていく必要性を感じる内容でした。

交流会

 最後に会員間の交流会を開催しました。今回は自己紹介と最近の悩み相談を普段関わることの無い施設の方々のお話を明るい雰囲気の中で聞くことができました。また新卒者や学生の悩みを直接聞く貴重な時間となりました。

最後に

今回はご多忙の中お越しいただきご指導いただいた千葉県士会 公益事業局 在宅医療・介護支援部の5名の先生方にこの場を借りて心より感謝を申し上げます。またご参加頂いたブロック会員の先生方、新人職員の先生、学生の方々におかれましてもブロック活動に賛同いただきありがとうございます。今後も様々な内容の研修会等を企画して参りますので、皆様奮ってご参加下さいますよう、よろしくお願いいたします。

次回は8月24日に千葉医療福祉専門学校にて第6回君津ブロック理学療法学術集会を開催いたします。現在演題募集中となっておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。